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●「学研6年の科学6月号」の「不良動物にご用心」に対する質問


 「学研6年の科学6月号」の「不良動物にご用心」に対する質問

                           コウモリの会
                           会長 山本輝正
                               
前略

 わたしたち「コウモリの会」は、「コウモリに市民権を」を目標として、コウモリへ
の理解普及を目指した活動をしている団体(会員約400名)です。 

 さて、貴社「学研6年の科学6月号」の「不良動物にご用心」の記事におきまして、
何点か疑問となる記述がありましてので、質問をさせて頂きます。

コウモリの所で、

1、「30度以上の高温が好きなため、」との記述がありますが、この様なデータはあ
りますか?ありましたらお教え下さい。

2、「彼らは近年都会で増えてきた」との記述がありますが、都会で増えているという
データはありますか?ありましたらお教え下さい。

3・「「・・・・ヒートアイランド現象が原因のようだ」との記述がありますが、どの
ようなデータよりこのようなことを書かれましたか?ありましたらお教え下さい。

4・「温暖化によって冬でも快適にくらせるし」との記述がありますが、どのようなデ
ータよりこのようなことを書かれましたか?ありましたらお教え下さい。

5・「えものの虫も多くなりよく育つのだ」との記述がありますが、以前より増えたと
は、どのようなデータよりこのようなことを書かれましたか?ありましたらお教え下さ
い。
    
6・これらの動物が都会で増えた原因として最後に。人間が餌をくれる。すむ場所がな
い(人間が破壊した)。生ゴミがたくさん拾える。が上げられておりますが、コウモリ
は山の木が切られて都会に出て来ているわけではないので、間違った理解がされるので
はないかとの危惧があります。プロナチュラリストの方が監修されていますが、どの程
度の資料から言っているのか不明です。
 どのようなデータよりこのようなことを書かれましたか?ありましたらお教え下さい。

 貴社の雑誌「科学」は、科学と題しているようにその内容においても科学的であるべ
きと考えます。しっかりとしてデータの裏付け無しに「ヒートアイランド現象」・「増
加している」・「温暖化現象」などを原因とするのは良くないと考えます。
 例えば、「増加しているかどうか」につきましても、季節的に多く見える時期があっ
たり少なく見える時期があったりその場所によって変わります。さらに、採餌場所が減
少してある場所に集中して採餌する事も考えられます。従って、広範囲に長期にわたっ
て調査をしないと増加傾向であるのかどうかは分からないはずです。
 しかし、その理由をしっかり言うことが科学的な態度であると考えます。そのような
科学的な態度や姿勢を示すことが、科学雑誌としては重要なのではないでしょうか。

 貴社より回答をいただけますと幸いです。
 なお、この質問文および貴社の回答文につきましては、コウモリの会のHP及び関連の
MLに流させていただく予定ですのでよろしくご承諾のほどお願いいたします。

                            2002年9月 日
                            コウモリの会


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